カーボン・ゼロを目指すニュージーランド
ニュージーランドは人口400万人強という小規模な国ですが、排気ガスなどの環境問題に対しては真摯に取り組んでいます。
世界全体の温室効果ガス排出量に占める割合は0.2%程度にすぎないものの、ニュージーランドは世界でもいち早く、循環炭素量を増やさないカーボンニュートラルの実現を宣言しました。
ヘレン・クラーク前首相が設定した一連の目標の第一段階として、34ある政府機関のうち6つにおいて、2012年までにカーボンニュートラルが実現されることになっています。
電力からワインまで、国内の様々な部門の企業でも、すでにカーボンニュートラルの実績があがっています。
企業の取り組み
グローブ・ミル、サンクチュアリなどの銘柄のワインを生産しているニュージーランド・ワイン・カンパニー(社)は、世界初のカーボンニュートラル認定ワインを市場に送り出した企業です。カーボン・ゼロ・プログラムの賛同者のなかでも先駆的な存在がワイン業界から登場したことに触発されて、多くのワイナリーやヴィンヤードが認定に向けて動き始めています。
一方、2007年には、電力会社のメリディアン・エナジーがカーボン・ゼロの認定を受けました。その後、観光・運輸業界からインターシティ・グループがカーボンニュートラルを目標にすることを宣言しています。
カーボン・ゼロ認定もしくは申請中の企業およびイベントの数は増加しています。
2008年世界環境デーのホスト国に
2008年の世界環境デーには、ニュージーランドはホストとして会場を提供しました。世界環境デーは、「悪い習慣を止めよう」をテーマに、世界各国の政府や企業、その他の団体を通じて経済とライフスタイルの脱炭素化を目指すものです。
国連事務次官および国連環境計画(UNEP)事務局長のアヒム・シュタイナー氏は、「カーボンニュートラル、低炭素経済の早期実現に向けて積極的に行動を起こしている国はまだほんの一握りですが、ニュージーランドはそのひとつです」と述べています。
世界環境デーは1972年に設立された国連の記念日で、毎年6月5日に会場を変えて会議やイベントが開催されています。
2008年世界環境デーのメインイベントは首都ウエリントンで行われ、その他、全国各地でも様々なイベントが開催されました。
ニュージーランドと環境
ニュージーランドの動植物は過去8000万年もの間、他の陸地の生物と接触のない状態で独自の進化を遂げてきました。ゴンドワナ大陸から切り離された孤島の生態系は実にユニークで、専門家の目から見れば、ニュージーランドを研究対象とすることは、異なる惑星を扱うようなものであるとも言われています。
独特の生態系に恵まれたニュージーランドには、その存続を支えていく義務があります。ニュージーランド以外、世界中どこを探してもいない生き物がこれからも生きていけるかどうかは、全国民の肩にかかっているのです。
現在、ニュージーランドの国土の30%以上は国立公園や保護区に指定されており、自然環境そのものが遺産として守られています。手付かずの素晴らしい自然は世界各国から訪れる旅行者を魅了していますが、旅行者の移動や滞在が少なからず環境に負荷をかけているのも事実です。
観光業界 - 環境負荷を抑制するために
観光大国ニュージーランドはこれからも多くの旅行者を迎え入れる方針ですが、同時に魅力ある自然環境を維持するための対策にも力を入れています。その代表的な例は以下の通りです。
・ジオツーリズム、すなわち、持続可能性の原則に基づき、目的地の特性(環境、文化、歴史、美的価値観、住民の生活上の幸福などを含む)を尊重した観光事業を推進する。
・海外からの旅行者を対象に、繁忙期の前後の時期をターゲットにしたマーケティングを行うことにより、ピーク期間中に集中しがちな資源の消費を分散させる。
・目的地のマーケティングと地元のマネジメントの連携により、環境保護、地域社会、観光業のいずれにも利害が偏らないよう調整させる。環境保全省(DOC)は、レクリエーション向けの設備管理と環境維持に半分ずつ予算を割り当てるという、世界的にも進んだ資産管理を行っている。
・自然保護区、海洋保護区の区画設定による絶滅危惧種の保存や、定置網の禁止、害獣駆除などをDOCの管轄のもとに関係事業者の協力を得て行っている。特に、キャンベル島のネズミ退治、セクレタリー島のオコジョ退治などは世界でも初の試みとして知られている。
・害獣の捕獲や環境保護プログラムに協力したり、環境問題に関する啓蒙活動や教育指導に貢献している事業者に何らかの報酬を与える。
観光業界では、個人レベルから事業体、地域社会、地方自治体までが一体となって、持続可能な運営方法を取り入れることが今後の成長に必要であると考えられています。
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